「今週の英語News」20180924( 後第5文型の受身形/補足:造語的な肩書)

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Have Fun and
Try Your Best
楽しんでベストをつくして

南日本新聞2018年9月24日朝刊「こども」のページの英文を引用しています。
大坂なおみがテニスの全米オープンで優勝したことについての記事です。

初級 中級 〜 

Winner of the U.S. Open tennis tournament Naomi Osaka said “Just have fun” when she was asked to give advice to young tennis players.  “Tennis is a game.  Always try your best,” she said.

tournament  [ tʊ́ərnəmənt, tə́ːr-, tɔ́ːr](トゥアナメント):   n.  トーナメント,勝ち抜き試合
.     「トーナメント」という発音もあるようですが,[3]によると主に(英)のようです。

fun  [ fʌn ] :  n.  楽しみ
.     fan  [ fæn ] :  n.  ファン,愛好者

advice  [ ədváɪs ] :  n.  忠告,アドバイス
.     advise  [ ədváɪz ] :  vt.  忠告する

 

① Winner of the U.S. Open tennis tournament

前週の記事では,同格が2つありました。さて Naomi Osaka はこの ① 同格でしょうか?

 

② was asked to give advice

受動態ですが,能動態に書き換えるとどうどうなるでしょうか?

 

記号づけ・チャンク訳:

Open/Close

 

解  説

① Winner of the U.S. Open tennis tournament

Osaka Naomi の肩書です。

winnerthe が付いて the winner となると,the winner主語(S) になり,Naomi Osaka同格となります。

 

② was asked to give advice

能動態に書き換えると次のようになります。

The interviewer (asked her
.       S          V     O(s)

to |give advice [to young tennis players].
.   C(v)     (o)
HTML で記号を付けるときは,上線が引けない(引き方を知らない)ので,動詞を完全にで囲むことができません。ご了承ください。

つまり,能動態第5文型(「英語の見える化」では「第5文型」)になるわけです。
今回の英文ではそれが受動態になって C が消え,第2文型にはなっていません。

第5文型は,
OC に「 (s) が (v) する」の主述関係(主語述語の関係)があるということで(学習文法では)第5文型に加えられているだけであって,この C は,O = C となる C ではありません
ゆえに,受動態になっても第2文型S = C)にはなりません。

典型的な第5文型O = C)では「OC です」という主述関係があり
受動態になると第2文型S = C)「SC です」と,まさに主語述語になります。
.   We (call
that mountain Sakurajima.  ー>
.   S    V            O =      C

.   That mountain (is called) Sakurajima.
.        S          =          C

研究
さらに細かい話になりますが,

[43 p.26]には,上の ask能動態の構文を SVOO型と見ることができる,ということが書かれています。
とりあえずは,〜(IO)に 〜(DO)を askするので SVOO型と見る,という話だと理解してください。
( 英文の意味は (s) (v) で十分に理解できます)
【記号づけの研究】(続2)山括弧〈 〉: ネクサス目的語を示す
の内容よりさらに進んだ話です。
学習文法での第5文型SVOC型ではないものを,第5文型と呼ぶのもいいかもしれませんね。

中級 〜

造語的な肩書

winner of the U.S. Open tennis tournament肩書だと書きましたが,
大坂なおみがこのように呼ばれる機会は,新聞記事の中か,テニス大会での紹介くらいかもしれません。

President TrumpQueen Elizabeth ⅡQueenPresident のような肩書・称号 とは少し違いますね。

winner … は,公式の肩書ではなく大坂なおみの説明のようなもので,造語的な肩書とも言われます。

 

翻訳あれこれ/ 英語の同格(apposition)について
同格・肩書についての有益な情報が集められています。
それによりますと,固有名詞の役職などを示すには,次のような形があるようです。

(1)  the former US Secretary of State Hillary Rodham Clinton
    元米国国務長官ヒラリークリントン

(2)  The former US Secretary of State, Hillary Rodham Clinton, has been a longtime supporter of Ireland …
 .     のようにコンマで区切ってもよい。役職が少し強調される。

この (1),(2) では,Hillary Rodham Clinton は,the former US Secretary of State同格です。

(3)  Former Secretary of State Hillary Clinton delivers stinging critique of President Donald J. Trump …
.     このように the がない場合は false title造語的な肩書)と呼ばれる構文となり,
.      ジャーナリズムでは頻出するが,新聞用法として否定する学者も多い。

the が付いていないので肩書のように見えるが,その人物の説明のようなものであって,本当の(公式の)肩書ではない(造語的な肩書)のでよくない,ということでしょう。

(4)  Hillary Rodham Clinton, Former Secretary of State

(5)  Hillary Rodham Clinton, the former US Secretary of State

(4),(5) の場合は,(theformer US Secretary of State同格語となります。
the があった方がいいのでしょうね。

 

また,The New York Times Manual of Style and Usage に,

・名前の前に置くべきは,正式な肩書・称号であって,その人物の単なる説明ではない。
・しかし,有名人(someone well known)の場合は,その人物の説明的な表現に the を付ければ容認可能
.  (名前は同格になります)

ということが書かれているようです。

今回の英文の winner of the U.S. Open tennis tournament のような造語的な肩書は,ジャーナリズムでは多用されるが,The New York Times くらいになると避ける,ということでしょうか。

 

参考文献

[1]ウィズダム英和辞典 第3版(2012)
[2]ジーニアス英和辞典 第5版(2015)
[43]現代英文法講義 安藤貞雄著 開拓社(2005)

 

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ABOUTこの記事をかいた人

Itakura

〜2016 鹿児島大学水産学部教授 ,2016〜2017 水産学部特任教授(英語教育担当),2016〜 鹿児島大学名誉教授/ 〜2017 CIEC(コンピュータ利用教育学会)理事,ネットワーク委員会委員長,2018〜 CIEC 監事/ 2015〜「英語の見える化」研究会主宰/ 資格: 獣医学博士(北海道大学)/