「英語の見える化」へようこそ

このサイトに来られる方は,英語を何年も学ばれたと思います。

1つお聞きしてもいいですか?
知っている単語で書かれた英文を読んで,訳さずに理解 できますか?

もし,英語のままでは難しいとしたら,
単語の意味は知っているのに,なぜでしょう?

そうですね。
一番の理由は,英語と日本語では語順が違うからですね。

では,英語の語順に慣れてしまえばいいのに,
なかなか慣れないのはなぜでしょう?

それもおわかりでしょうか。
慣れるための 訓練 をしていないからでしょうね。

でも,まともにやったら たいへんそうです。

パターンプラクティスも1つの方法ですが,とても たいへん です。

でも1つ,だれでもできるメソッドがあります。
英語の見える化」です。

「英語の見える化」とは?
Ms. Q
英語の見える化」ってなんですか?
Itakura
英文に ○ や [  ] などの簡単な記号をつけ,語句の働きを視覚化します。
語句の修飾関係を矢印で説明するのではなく,英文を見て感じられるようにします。
Ms. Q
記号を使うのは,他にもあるんじゃないですか?
Itakura
はい。
しかし,学習効果に大きな違いがあります。
Ms. Q
どうしてそんな違いが出るんですか?
Itakura
記号による視覚化に加え,着目点の違いがあります。
日本語と逆の語順を作り出す他動詞形容詞句を重視します。
この2点の重視と,記号による視覚化で,英語学習のスイートスポットが生まれます。
Ms. Q
スイートスポットって,英語学習が楽になるということですか?
Itakura
返り読み丸暗記などの無益な苦労が無くなります。
さらに,私の講座では,和訳は前もってお渡しします。
英語を英語として理解することに集中できます。
Ms. Q
そんな学習法があるんですね。
Itakura
日本人が英語で苦労しているのは,
ラケットのフレームで無理に打つような勉強を
しているからかもしれませんね
フレーム ==(「英語の見える化」)==> スイートスポット
「英語の見える化」の実績は?

英語の見える化」の実践が始まったのは,鹿児島大学水産学部の板倉研究室で,2008年のことです。
ほぼ毎日の朝ゼミの中で,専門の勉強の準備体操のような感じで英語の勉強も始めました。

それよりずっと前,英文中の修飾関係を示すのに矢印を使って,それなりの成果があった学生もいたのですが,だれにでも効果がある,というわけではありませんでした。
パターンプラクティスが効果があるのは,私自身,十分体験していましたが,これも たいへんであることはわかっていました。

いろいろ情報を集め,寺島隆吉先生(岐阜大学教育学部)の記号研方式に目が止まりました。
動詞を○で囲み,前置詞句を [  ] で挟む方式です。
矢印と違って,英文から目が逸れることもなく,良い方法だと思いました。

朝ゼミで記号研方式を採用させていただくに当たり,
前置詞句の副詞句と形容詞句を区別する形容詞句を明示する)
自動詞と他動詞を区別する(「他動詞+目的語」を明示する)
ことを重視しました。
これは,中学時代から,英語を英語として理解しようと努力してきた私としては,ごく当然のことでした。

2010年,学部の1,2年生対象の「実用英語科目」の非常勤の先生4名のご理解も得て,この学習法を採用していただきました。
最初の年に,私が授業を(15回のうち10回)担当したのですが,その時の1年生が3年生になり,学部で「科学英語」を受けました。
「科学英語」を担当された先生から,次のような驚きと称賛のメールが届きました。

○○先生より

これまでの数年間、当分野には、学部の中でも比較的成績の良い学生が集まっていましたが、英語力が著しく低いのが実感でした。

読めない: 特に複文の場合、どれが主節でなにが従属節なのかわからないので、文の切れ目がわからない。発音記号もわからない。

訳せない: 5文型がわからない。関係代名詞の先行詞がわかららない。単語の上に適当な和訳を書き込んで、日本語の単語を適当につないで、それらしい(意味は全く違う)訳文を創作する。

彼らが修士課程へ進学して、果たして英語の文献を理解できるのかはなはだ疑問でしたし、実際、誤訳によって実験が滞っていました。

しかし、今回の「科学英語」の授業では事態は全く違いました

21名の学生を7名ずつ3組に分け、その一組を私が担当しました。
7名とも、読める、訳せる、さらに理解できる
ここがすごいのです。
これまでは訳せても理解できなかったからです。

「科学英語」を数年間担当しましたが、これほど優秀だったのは初めての経験でした。
もしやと思いほかの教員にも尋ねましたが、やはり、同じ感想でした。

私自身も,朝ゼミでの9年間の他,修士課程の「英文輪読」,博士課程の「英語論文作成指導セミナー」,鹿児島大学全体の「AO入試入学者向け補習授業」,社会人対象の「英語やりなおし講座」などで実践してきましたが,

学生から

はじめて英語がわかりました

もっと早く,この方法で習いたかった。

社会人の方からは

学校でこのように教えてもらっていたら,人生が変わっていたかもしれない。

という声もあり,「英語の見える化」の効果を実感してきました。

大学の授業・セミナー

社会人向け英語講座

「英語の見える化」にはどのような根拠が?

英語の見える化」は,英語の言語としての特徴と,英語と日本語との違いを根拠としています。

1066年のノルマン征服(フランス北部のノルマンディー公によるイングランドの征服)によって,英語は大きな影響を受け [文献整理番号:501],他のゲルマン言語(ドイツ語,オランダ語など)とはかなり異なった言語になりました。
1300年頃まで,英語は 庶民の話し言葉(貴族の会話や文書はフランス語)となったため,文法の簡素化が起こりました。
この簡素化によって(単語の役割を示すためにあるが聞き取りにくい)語尾の変化が衰退したので,それを補って文の意味をはっきりさせるのに語順が重要となり,意味を補うために前置詞句も発達しました。

このような歴史的経緯から,英語は,
語順が重要で,文の意味の基本が語順で決まる
前置詞句が発達していて多用される
という独特の特徴を持つ言葉となりました。

まず語順ですが,英語は単純な SVO言語で,「他動詞+目的語」が基本です。
次に前置詞句は,副詞句あるいは形容詞句となります。

その英語の特徴と,日本語を対比させてみると,

ボールを 蹴る  kick a ball他動詞+目的語)
机の上の 本   a book on the desk(名詞+形容詞句

のように,語順が逆になります。

さらに,日本語は SOV言語であり,(助詞の助けを借りずに)目的語に直接作用するような(本格的な)他動詞がありません
形容詞は,,英語では文中の働きで品詞が決まって名詞を修飾する(あるいは説明する)のが形容詞なのに,日本語の形容詞は,連用形で 動詞を修飾できたりします。
日本語には(英語の)形容詞句も無いということです。

つまり,英語の特徴と日本語との対比で問題になり,日本語と逆の語順を作り出す他動詞形容詞句が,日本語には無いのです。

以上が,「英語の見える化」で 他動詞形容詞句を重視する根拠です。

「英語の見える化」の導入時に学習者が注意すべきは,わずか2点であるので,学習者の負担は軽く,記号による視覚化と相まって,英語学習のスイートスポットを生み出します。
その効果は,実績が示すとおりです。

そもそもヨーロッパの北西端の島国で生まれた英語と,アジアの東端の島国で生まれた日本語は,言語として大きく異なるのは当然です。
大戦後,日本とアメリカは仲良くなり,英語は巷に溢れます。
英語を身近に感じるあまり,言語としての隔たりが見えなくなったりしていないでしょうか?
参考文献

[ ] 内の数字は,当サイトの文献整理番号です。
[506]  パターン・プラクティスについて 日塔悦夫(東洋大学)
[502]  ノルマン・コンクエスト(ウィキペディア)
[501]  hellog~英語史ブログ  堀田隆一(慶應義塾大学文学部)
.           ノルマン征服の英語史上の意義