[中級]連鎖関係詞節と連鎖疑問文,さらには感嘆文も

【お知らせ】
2020年12月14日
『大学英語の基礎』の「発音編」以外すべてをご覧いただけるようにしました。
  英語の見える化の記号づけの基本についてご確認いただけます。
・「代名詞の用法を記号で示す」を公開しました。


【改定記録】
2021年8月17日

記号づけした英文のフォントを、Lato から Arial に変更した。

2020年10月1日

「関係節」「連鎖関係節」を,より一般的な「関係詞節「連鎖関係詞節」に改めた。
ウィキペディアからの引用では原文のまま。

2019年11月5日

【追記 20191105】連鎖関係詞節における主格の関係詞の省略
を追記した。


Unbounded Dependency Constructions という考え方で
連鎖関係詞節,連鎖疑問文,感嘆文の複雑な文型が統一的に理解できます


中級 〜

NHK Enjoy Simple English
A Bunch of Grapes / Episode Four 
一房の葡萄/第4話
2018年7月27日放送,2019年1月再放送予定
テキスト p.136 に,

He took my hand and led me to our teacher’s room.  I thought that my classmates would stay far away from me and say bad things about me like, “Look at that Japanese.  He’s a thief.”  This was not what I thought would happen.

という一節があります。

有島武郎による原著(青空文庫)では,

そうしたらどうでしょう、ず第一に待ち切っていたようにジムが飛んで来て、僕の手を握ってくれました。そして昨日きのうのことなんか忘れてしまったように、親切に僕の手をひいてどぎまぎしている僕を先生の部屋に連れて行くのです。僕はなんだか訳がわかりませんでした。学校に行ったらみんなが遠くの方から僕を見て「見ろ泥棒のつきの日本人が来た」とでも悪口をいうだろうと思っていたのにこんな風にされると気味が悪いほどでした。

の部分です。

This was not what I thought would happen.
これは,起こるとは僕が思わなかったことだ(このようになるとは思わなかった)

連鎖関係詞節(太字部分)が見られます。
記号づけは次のようになります。

This (was) not (what) I (thought((would happen)).
TSis (ws) not (C(iS”t) S’ th(V’oug〉O’(((wou hV”

名詞節を示す ( ) の組み合わせをわかりやすくするために,緑色黄緑色を使っています。
( の直下に Cとありますが,これは (  ) で囲んだ名詞節補語Cであることを示しています。
thought の目的語である名詞節( ) で囲んでいるのですが,ここでは,what と would happen が左右に別れています。
一見複雑ですが,「英語の見える化」で学んできた人であれば,正確に英文を把握できるかと思います。
では,このような記号づけの根拠を説明したいと思います。

 

1.連鎖関係詞節とは
Itakura
(学習参考書ではない)文法書は難しいとは思いますが,要点を抜粋しましたので,この 1. 連鎖関係詞節とは もいちおう目を通してください。

連鎖関係詞節を「挿入」として説明するのは正しくない
・そもそも「連鎖 …」という名称は好ましくない

ということを示します。

手元の書物では,次のように定義されています。
(本記事内での引用に,原文には無い下線や,文字色をつけさせていただくことがあります)

 

『英文法辞典』安井稔編(1996)[14 p.693]

relative concatenation(関係詞連鎖)
従属節中の要素が,上位の節を越えた左側にある名詞を先行詞として関係詞化されることをいう:

We feed children who we think are hungry.

この文において,whowe think という一段上のを越えて関係詞化されている。

文字色をつけたので少しわかりやすくなったかと思いますが,
who are hungry が,we think挿入のように見える)を乗り越えるようにして children(先行詞)を修飾しています。
we think は「上位の節」ですので,挿入と呼んで下位として扱うのは正しくないということです。

 

『現代英文法講義』安藤貞雄著(2005)[14 p.192]

“連鎖関係詞節”concatenated relative clause)は,Jespersonの用語で関係詞節が他の節の中に埋め込まれている場合を言う。
この構文は,特に〈略式体〉において,say,know,fear,feel,hear,suppose,think,wish などの動詞の目的節になっている場合が多い。

(1)  It’s a house (which / that) we feel (that) we might want to buy.
.     それは,私たちが買いたいと思うような家だ

(2)  That’s the man (who / that) I wish (that) I’d married.
.     あれは,私が結婚したかったなと思う男性です

(中略)

この構文では,補文標識 that は通例省略される点に注意。関係詞が主語の場合は,義務的に省略される(次の(4)も同じ)。φ は省略された that の位置を示す。

(4)  But I have some sherry that they tell me φ isn’t bad.
.     でも,まずくないと言われるシェリー酒がありますよ

ここで,例文 (1)(2)それぞれに2つの他動詞feel と buy,wish と marry があるので,「連鎖(関係詞)」という名称から,それぞれにおいて2つの他動詞がともに前にある関係詞あるいは名詞(houseman)を目的語とするように思うかもしれませんが,
feel と wish の目的語(目的節) は that 以下だと書かれています。
feelwish などの他動性を示す記号の向きは右向き でよいということです。

関係詞が主語の場合については,ずっと下の方にある
補文標識 that が義務的に省略される場合
をご欄ください。

さらに念押しですが,ウィキペディアの「関係詞」の「連鎖関係(代名詞)節」の項に

連鎖関係節とは concatenated relative clause の訳語であるが、二つの関係節連鎖しているわけではないので、この名前は好ましいものとは言えない。

という記述があります。

 

2.Unbounded dependency constructions

 

Itakura
さて,ここで,1842ページもあるイギリスの文法書をとりあげます。
さらに難しくなるのか,と思われるかもしれませんが,

Unbounded dependency Constructions

という比較的新しい考えと「英語の見える化」の記号づけを合わせることによって
連鎖疑問文感嘆文も含めて,意外なほどやさしくなることを体験していただければ嬉しいです。

 

引用した英文中で薄く色が付いている語句にカーソルを持ってくると(スマホの場合はタッチすると)意味・説明が表示されます。
情報の確かさを示すために引用しています。その内容は日本語で要約していますので,日本語部分だけ読んでいただいても大丈夫です。

 

“The Cambridge Grammar of the English Language”
R. Huddleston・G. K. Pullum 著(2002)[91]
Syntactic overview (91 p.43)
.     12. Relative constructions and unbounded dependencies  (91 p.63)

Unbounded dependency constructions
Relative clauses belong to the class of unbounded dependency constructions, along with open interrogatives, exclamatives, and a number of others.
The distinctive property of these constructions is illustrated for wh relatives in:.

i     Here’s the notei [whichi she wrote      i ].
ii    Here’s the notei [whichi he said she wrote      i ].
iii   Here’s the notei [whichi I think he said she wrote      i ].

In each of these which is understood as object of wrote:  we are representing this by co-indexinging it with a gap in the position of object in the write clause.

概観: 連鎖関係詞節を例として
この章は overview(概観) ですので,[  ] の数は少な目で,i  と     i  にしぼった説明になっています。
下線部に,whichwrote目的語であると書かれています。
他動詞wrote の後に目的語が無いので gap     i  が生じ,それが whichi と結び付けられるということです。

専門的な説明なので難しく感じられたかと思います。
英語の見える化」では,wrote他動性(この場合は例外的に目的語が前にあるので,他動性が左向きに働いている)を「 」で示し,「whichwrote)」というより直接的な形で表します。
notei との結びつきについては, ]A形容詞節Aは adjectiveの略,形容詞[  ]a)を囲めば,それが直前の名詞にかかることを示せます。が複数ある場合は,わかりやすくするために少し色を変えて ]A を使うこともあります。
SVOC のうち VO は,記号で示せるので通常つけなくてよいのですが,複雑な例文では S’V’O’C’S”V”O”C” などのつながりも明示するために,つけた方がよいでしょう。

それでは「英語の見える化」による記号づけを示します。

i    Here(’s) the note [which shewrote)]A.
i    Here(Vs) thenSote wO’iihs S’e〈wV’
.     ここにある 彼女が書いたメモが

ii   Here(’s) the note[which) he (said(shewrote)]A .
ii   Here(Vs) the nSo [wO”iici hS’ (sV’addiO’ S”e〈wV”
.    ここにある  彼女が書いたと彼が言ったメモが

iii  Here(’s) the note[which)) I (think(he(said(shewrote)]A .
iii  Here(Vs the inSotewO”’icih)S’ (itV’k〉O’ S” siV”〉iO” S”’〈wrV”’
.    ここにある  彼女が書いたと彼が言ったと私が思うメモが

 

[91 p.64]でさらに次のような説明が続きます。

There is a dependency relation between the gap and which, and this relation is unbounded in the sense that there is no upper bound, no limit, on how deeply embedded the gap may be in the relative clause.

 gap と which のつながりは際限がなく,I thinkhe said などの表現を(文法的には何重でも)重ねていくことによって,gap をいくらでも深く埋め込むことができる,ということで,unbounded dependency constructionと呼ばれるようです(馴染みやすさも考えて「無限従属構文」と訳しておきます)。

Itakura
伝言ゲームを丁寧にやって「Aさんがこう言った」ー>「Aさんがこう言ったとBさんが言った」と伝えるのと同じです。
その場合は,動詞は「言った」だけですが「Aさんがこう言ったとBさんが言ったとCさんが言った」と,理屈の上では,いくらでも続けられるので unbounded です。

 

10  Clause type and illocutionary  force  (91 p.851)
.     7  Interrogative words and phrases  (91 p. 902)

[91 p.914]

7.11  Open interrogatives as an unbounded dependency construction
The open interrogative is what is known as an unbounded dependency construction, as illustrated in the following examples:.

i     Whati did he [buy     ]?
ii    Whati did she [say [he bought     ]]?
iii   Whati do you [think [she said [he bought      ]]]?
iv   Whati do you [think [she said [he wanted [to buy      ]]]]?

【連鎖疑問文
wh疑問文
にも unbounded dependency construction があります。
ここでは what の例があげられています。

英語の見える化」の記号づけでは,     を Whati に結びつけるという分析的な段階を表記することはしないで,他動詞buy他動性の向きを直接 What に向けます。

i     Whatdid he buy)?
i     WOat〈diid Se V
.      彼は何を買ったの?

ii     What) (did she say(hebought)?
ii     WO’hat) (did SheV 〉(O’ S’e〈biV’
.       彼は何を買ったと彼女が言ったの?

iii    What)) (do you think(she said (hebought)?
iii    WO”hat) (do ySou Vhk〉O S’ saV’O’S”e〈biV”
.       彼は何を買ったと彼女が言ったと思うの?

iv    What))) (do you think(she said (he(wanted(to buy|?
v    W(o)hat))i) (do ySou Vtii〉OiS’ieV’ i O’ S”(wV”n〉〉O”’(〈 (v)
.       彼は何を買いたいと彼女が言ったと思うの?

 

[91 p.914]

7.12  Ambiguities concerning the role of an interrogative phrase in complex clauses

i
a.  When did they decide to leave?
b.  Wheni did they [decide [to leave]      ]?      [gap in decide clause]
c.  Wheni did they [decide [to leave      i ]]?      [gap in leave clause]

ii
a.  Why do you think he lied?
b.  Whyi do you [think [he lied]      i ]?      [gap in think clause]
c.  Whyi do you [think [he lied      ]]?      [gap in lie clause]

(中略)

ii    Whoi do you [expect      i [to play]]?             [gap as object of expect]
iii   Whoi do you [expect [to play     ]]?             [gap as object of play]

wh疑問文で生じる曖昧さ
このように,wh疑問文では,曖昧さが生じる(二通りの解釈が可能になる)場合があるので注意が必要です。
英語の見える化」の記号づけでは,文脈に応じて,次のように区別できます

i
b.  When (did they decide(to |leave))?
.     辞めることを,彼らはいつ決めたのか?

c.  When)(did they decide(to|leave?
   「いつ出発する」と彼らは決めたのか?

ii
b.  Why (do you think(he(lied))?
.     彼が嘘をついたと,なぜ思うのか?

c.  Why)(do you think(he(lied?
.     彼がなぜ嘘をついたと思うか?

 

ii     Whodo you expect) to |play)?
ii     O(s)o〈do ySou eVect)) to |C(v)
.      だれが演奏(競技を)すると思いますか?

iii    Who)(do you expect(toplay|?
ii i   w(o)o (do ySou eVxpc〉O(to〈(v)
.      だれ(の役)を演じるつもりですか?

 

Exclamatives and exclamations  (91 p.918)

8.1  The syntax of exclamatives

i    How impossibly politei she expected them [to be       i ]!
ii   What a waste of timei they thought [it was likely [to be      i ]]!

感嘆文
unbounded dependency の考えは,感嘆文にも適用できます。

i    How impossibly polite she (expectedthem to |be)!
i    How impossibly p(c)te She (expVeced〉 tO(s) o |C(=)
.     彼らがそんなにあり得ないほど礼儀正しいと,彼女が期待しただなんて!

ii   What a waste [of time]a ]) they (thought(it (was) likelya [to |be)!
ii   What a w(c)te [of time]a]]))tiShy (thoVuht〉OS’(s) =’as) C’ly [[tto |(=)
   それがそれほど無駄な時間になりそうだと,彼らが考えただなんて!

i     i とのつながりは,上の記号づけでは (=)(c)で表されています。

 

11 Content clauses and reported speech  (91 p.947)
.     3.1 Conditions under which that must or may appear  (91 p.952)

[91 p.953]

When that must be omitted
That is not permitted when the content clause is embedded within an unbounded dependency construction in such a way that its subject is realised by a gap:.

i     She thinks [(that) Max is the ringleader ].                    [that optional]
ii    Who does she think [       is the ringleader ]?          [that excluded]
iii   Max is the one she thinks [       is the ringleader ].   [that excluded]

(中略)
In [ii] the subject of is the ringleader is realised by a gap linked to who in the superordinate interrogative clause.
The content clause subject is likewise realised by a gap in [iii], where the content clause is embedded within a relative clause.

補文標識that が義務的に省略される場合
上の ii では is the ringleader主語who が,iii では the one が, gap       によって想起されます。このように gap によって主語が想起される構文では補文標識that が必ず省略されるということです。
think の次に(主語無しで)is ときたときに(who が頭に残っていて) who is the ringleader の意味がつかめるようになるのは,それほど難しことではなさそうです。
逆に,that痕跡効果[43 p.176 ]などの文法的説明から,感覚的な理解にまでもっていくのは,とても難しいと思われます。

ii     Who) (does she think((is) the ringleader?
ii     WS’o)) (does sSe htV〉(O( =’s the rnC’
.       彼女は,だれが首謀者だと考えていますか?
.      (疑問代名詞who主格なので that が省略されています)

iii    Max (is) the one () she (thinks((is) the ringleader).
iii    MSx (=)) th oIC(S”)) [IiS’he (V’tk  (O’(=”) the rinC”
.       Max は,首謀者であると彼女が睨んでいる人物です
.     (主格関係代名詞が省略された形です。下の連鎖関係詞節における主格の関係詞の省略をごらんください

 

1.この記事の最初の 連鎖関係詞節とは で引用した(isn‘t の前の)補文標識that が省略された例文の記号づけは,次のようになります。

(4)  But I (havesome sherry [that) they (tellme ((is)n’t bad]A.
(4)  But S (hVae〉some Ohey [thS”a) tS’hy (tV’〉lO’e ((is)t bC”
.       でも,まずくないと言われるシェリー酒がありますよ

 

12 Relative constructions and unbounded dependencies  (91 p.1031)

【追記 20191105】 連鎖関係詞節における主格の関係詞の省略

まず,情報の確かさを示すために,文献 [91] からの引用 [p.1047] を掲載しますが,読み飛ばしても大丈夫です。その後に日本語で説明があります。

3  The form of relative clauses

3.4  Relativisation of an element within an embedded clause

(40)

i
a.   This car is safe.
b.   I want a cari [that     i is safe].

ii
a.   I know [this car is safe].
b.   I want a cari [that I know [      i is safe]].

The difference is that that is obligatory in [ib] but omissible in [iib].  We can thus have a bare relative in case [ii], but not in case [i]:

(41)

i     *I want a cari [      i is safe].                       [gap as subject of relative clause]

ii     I want a cari [I know [      i is safe]].      [gap as subject of embedded clause]

We need therefore to distinguish between relativisation of the relative clause subject and relativisation of an embedded clause subject. The distinction is also relevant in wh relatives, where it has a bearing on the case of the pronoun who, with some speakers allowing an accusative for an embedded subject (%the man whom they say was responsible) but not a relative clause subject (the man whom was responsible):  see Ch. 5, §16.2.3.

上の引用の説明の前に,連鎖関係詞節の話から外れて,一般に 関係代名詞省略できる場合について整理しておきます。
[43 p.188]に記述があります。要約すると,

・他動詞や,前置詞(関係代名詞の後に位置するもの)の目的語になっている場合
補語になっている場合
主語となる場合(主として略式体で,次のような環境で)
     ・It/That is のあと
             It was Mary φ told me. (教えてくれたのはメアリーだ)
     ・there/here is のあと
.               There’s no one φ works harder than you. (君のような勉強家はいない)
     ・there is で始まる節の文頭で
             It’s only one φ there is in the shop. (この店にあるのはそれだけです)

と書かれています(φは省略を示す)。

つまり,上の [91 p.1047] で

(41)
i
     *I want a cari [      i is safe].
(文頭のアステレリスク「*」は,非文,すなわち非文法的な文であることを示す)

と示されているように,またよく知られているように,通常は,主語となる関係代名詞省略できないということです。

しかし,

(41)
ii
     I want a cari [I know [      i is safe]].
.       私は,自分で安全だとわかっている車が欲しい

のように,連鎖関係詞節として埋め込まれている場合には,主格関係代名詞省略できるわけです。
なぜそうなるかの説明として,

the man who they say was responsible
. 彼らが言うところの責任がある男

who の代わりに次のように目的格の whom を用いる言い方が存在することとの関連性が指摘されています。

%the man whom they say was responsible
(文頭の「%」は,ある dialect においては文法的であることを示す。
なお,[43 p.192] では,Swan(1995) が「whom を用いるのは一般に正用とは認められない」としていることが紹介されている)

[Ch. 5, §16.2.3 :  p.466-467]でもこのことについて言及されており,「この言い方には長い歴史があり,新聞や知られた作家の著作物にも見られる」ということが書かれています(OxfordのSwan の記述に対する反論とも感じられます)。
主格であるが,目的格のようにも感じられて省略が起こる,ということでしょう。

the man they say was responsible

の形では,the man に続く they say で関係詞節が始まることが意識されthe man を意味上の主語とした説明が was responsible となることが理解されるわけです。

 

では,記号づけを示します。

(40) ii
b.    I (wanta car [that) I (know((is) safe]A.
.     S (wVn〉ja cOr [[tS”a))S’(kV’n〉O’ =”is) C”

(41)

ii     I (wanta car [ ) I (know((is) safe]A.
.     S((wVnt〉i Oa(S”) S’ (kV’n〉O’ =”)s C”
    (これが, 主格関係代名詞省略された構文の記号づけになります)

 

連鎖関係詞節主格関係代名詞省略が,ふつうに使われている例として,次の記事をご覧ください。

 

[91 p.1079]

7  Unbounded dependency constructions

Relative clauses belong to a larger class of constructions known as unbounded dependency constructions. In this final section of the chapter we examine the properties of this more general category of constructions.

7.1  Definition and taxonomy

What is meant by an unbounded dependency construction can be seen by considering a set of examples such as those in [1]:

[1]
i     This is the booki [whichi [she recommended     i ]].
ii    This is the booki [whichi [I think she recommended     i ]].
iii   This is the booki [whichi [I think you said she recommended     i ]].

The outer brackets enclose the relative clause, while the inner ones enclose the nucleus.
The nucleus contains a gap in the position of object of the verb recommended, and this gap is linked to the relative phrase which in prenuclear position.
The relation between the gap and which is comparable to that between an anaphoric pronoun and its antecedent – between, for example, which and its antecedent book.
Which derives its interpretation from book, and the gap derives its interpretation from which: a component of the meaning of all three examples is “she recommendedχ”, whereχ is some book.
We will say, therefore, that the gap is anaphorically linked to which, i.e. that which is antecedent for the gap.

連鎖関係詞節
下線部に,which が gap の antecedent(先行詞) だと書かれていますが,「先行詞」は広い意味では「代名詞が指し示す(代名詞の前にある)名詞」であり,gap が指し示す which について使われています。

12章では,関係節について詳説されていますが,ここでは次の例文を紹介するにとどめます。

i      This (is) the book[which sherecommended)]A.
i      TSis () the bCook[wO’h sS’he〈recV’
.       これは,彼女が推薦した本です

ii     This(is) the book [which)(think(sherecommended)]A.
ii     TSis(i=s) the bCok [wO”hi) S’ (tV’h〉O’iS”〈recoV”
     これは,私が思うに,彼女が推薦した本です

iii    This(is) the book[which)(think(you(said(sherecommended)]A.
iii    TSis(i=) the bCok[wO”’h) IS’ (tV’i〉(O’(S” sV”aid O”iS”’〈recoV”’
.   
   これは,私が思うに,彼女が推薦したのだとあなたが言った本です

 

本文中[91  p.1079]に次のような重層構造の例文も紹介されています。

This (is) the book [which)) I (think(you (said
TShs =) the bCoo [w(o)ic)) ))S’(thV’O’yS” (sV”

(Kim (persuadedher  torecommend|]A.
O” S”’(m (pV”’add〉 O”’(s)  〈recC”’(v)
これは,私が思うに,彼女が推薦するようにKimが説得したと,あなたが言った本です。

 

Itakura
英語の見える化」の記号づけが,今回のような複雑な英文にも適用できることが確認できました。
英文の構造を(矢印などで)説明しようとするのではなく,英語の本質を見える化しようとやってきたのが良かったのでしょう。
複雑そうに見える英文も,その本質の組み合わせに過ぎないのかもしれません。

 

新しい記事のお知らせ登録

参 考 文 献

[1]ウィズダム英和辞典 第3版(2012)
[2]ジーニアス英和辞典 第5版(2015)
[3]ランダムハウス英語辞典 第2版(1993)
[11]英辞郎 on the WEB
[14]コンサイス英文法辞典 安井稔編 三省堂(1996
[43]現代英文法講義 安藤貞雄著 開拓社(2005)
[91]The Cambridge Grammar of the English Language, Rodney Huddleston・Geoffrey K. Pullum 著 Cambridge University Press(2002)Kindle版

 

3 件のコメント

  • 一度、ざっと読んだだけなので、「英語の見える化」の記号づけなるものがどれほど有用なのかわかりません。
    連鎖関係詞節と連鎖疑問文について質問なのですが、
    ◯Who do you think he is?
    ×Do you think who he is?
    ×Who do you know he is?
    ◯Do you know who he is?
    というような関係がありますが、これは、連鎖関係詞節になっても同じですか? 連鎖関係詞節と連鎖疑問文とで挿入的(?)に使える動詞はまったく同じですか?片方で使えれば、片方でも使えますか? もし、使えないのなら、どのような文法規則がありますか?

    • このサイトの記事を読んでくださり、またさらにご質問、ありがとうございます。

      ご質問は、「文法」の問題というより、「意味」の問題のように思います。

      ◯Who do you think he is?
      は、
      「彼が、誰であるか(あなたが知っている人・名前のどれに一致するか)」
      と思うかを尋ねている、
      つまり、thinkの目的語は節的内容であり、

      ◯Do you know who he is?
      の ‘who he is’ ≒ ‘his name’ であり、
      knowの目的語は名詞的
      ということでは、ないでしょうか?

      それで、
      ×Do you think who he is?

      Do you think his name?
      のように、thinkの目的語が名詞のように感じられてオカシイ

      ×Who do you know he is?
      では、whoが前に出ることによって名詞的な ‘who he is’ が崩れて節的に感じられてしまう、
      という説明ができそうです。

      ×Do you think who he is?
      にしても、‘who he is” が名詞的に感じられてもいい文脈にしてしまえば、
      例えば、

       ある村に最近移ってきた、よくわからない人についての噂話の中で、
       Do you sometimes happen to think who he is?
        彼がだれなのか(彼の素性)を、考えたりすることある?

      と言うのは可能なような気がします。

  • コメントを残す

    ABOUTこの記事をかいた人

    板倉

    〜2016 鹿児島大学水産学部教授 ,2016〜2017 水産学部特任教授(英語教育担当),2016〜 鹿児島大学名誉教授/ 〜2017 CIEC(コンピュータ利用教育学会)理事,ネットワーク委員会委員長,2018〜 CIEC 監事/ 2015〜「英語の見える化」研究会主宰/ 資格: 獣医学博士(北海道大学)/