21世紀のふつうの英語 (4): VOAニュースより( should の用法)

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21世紀のふつうの英語」は現在使われている英語ですが,20世紀以前に使われていなかったことを意味するものではありません。
英文中で色の付いた語句をクリックすると,訳と解説が吹き出しで表示されます。

今回取り上げるのは,
21世紀のふつうの英語 (2) に引き続き,アフガニスタンの情勢に関するもので, 2019年9月24日付の「VOA Extremism Watch」です。

 

ARTICLE

US Inspector:  ‘Sustainable Peace in Afghanistan’ Depends on Careful Reintegration of Fighters

SEPTEMBER 20, 2019 | HASIB DANISH ALIKOZAI

The United States Special Inspector General, tasked with monitoring U.S. reconstruction efforts in Afghanistan, said the reintegration of tens of thousands of fighters into the Afghan society would be necessary for sustainable peace should talks resume.

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英文は,1つだけです。さていかがでしょうか?

英文を前から読んで理解していくのは当然ですが,それがほんとうにできると,コンマが無くても意味の切れ目(などの切れ目)がわかります。

もう一度読んでみてください。

 

さてどうでしょう?

… would be necessary for sustainable peace

で一区切りあることがわかったでしょうか?

そうすると,その後の

should talks resume

を見て,昔習った文法を思い出す方もいるかもしれませんね。

 

記号づけチャンク訳を示します。


The United States Special Inspector General,
The United States Special Inspector GeS
 アメリカ合衆国の 特別総括監査官は

[| tasked↓who is) [with (|monitoringU.S. reconstruction efforts
[[|tasked)) [with ((|mo(v)toring〉U.S. reconstruction eff(o)
任務を負っている  …を監視することに アメリカの 復興 努力

[in Afghanistan]a)]]A,(said(the reintegration
[in Afghanistan]a))]A, ((sVid〉Othe reinS’
アフガニスタンにおける …と述べた (社会への)復帰が

[of tens of thousands of fighters]a
  何万人もの戦闘員の

[into the Afghan society]-a (would be) necessary
[into the Afghan society]a ((would =’b) necC’
 アフガニスタン社会への   必要となるだろう

[for sustainable peace] [(should talks resume)]).
[for sustainable peace] [should〉tS’lks (reV’
持続可能な平和のために  交渉が再開されれば(の話だが)

 


 

should talks resume

を見て「仮定法」ということばが頭に浮かべば,調べることができるでしょう。
文法書で「仮定法」のところを見ると

if の省略[45 p.200](「この形は文語調である」)
if が出てこない仮定法[241 p.344](これは,文章体の表現である」)
if の省略による倒置[247 p.295](「この形は会話ではあまり見られないが,フォーマルな書き言葉(手紙やメールなど)でよく見られる」)

などが見つかります。
「助動詞の過去形 + 主語」の形で条件を表します。
if が省略されるのは,wereshould,(過去完了形の)had が前に出る倒置の場合のみです。

例文としては,should などが文頭にある例が多いようです。

Should the phone ring, don’t answer it.《文》[1 should❻]
もし電話が鳴っても,出てはいけない

文の後半にある場合,should の前にコンマがあるのが普通です。

We would be delighted to hear from you, should you have any comments.[2 should❼語法(2)b)]
何かコメントがございましたら, お聞かせください

 

コンマが無い例(今回の英文も同様)もあります。

Life insurance guarantees that your children will be financially protected should anything happen to you.[45 p.201]
生命保険は,万一あなたの身の上に何かが起きた場合に,お子さんたちが金銭的に守られることを保証します

これは,should anything happen がよく使われる表現なので,わかりやすいからだろうと思われます。

今回の英文の should talks resume 自体はコーパスでもあまり出てきませんが,talks resume(交渉が再開する)が,このような記事ではよく使われる表現であるので(コンマが無くても)理解は容易ということでしょう。

 

should については,実践ロイヤル英文法[45 p.99]に有益な記述があります。
要約させていただきますと,

常に仮定の意味が含まれる should
厳密に言えば,should の用法はすべて,条件の if節が省略された仮定法である。
「推量」の“They should arrive soon.”(彼らはそろそろ着くはずだ)は「ことがふつうどおりに進めば」という if節が省略されている。
「義務・必要」の「〜すべきだ」の場合は「道理に従えば」という条件になる。

 

Itakura
Itakura
文語調とされている構文も,今回の英文のように使われるわけですね。
報道としては,緊張感が簡潔に表現されて,かっこいい感じです。

 

21世紀のふつうの英語 (2): VOAニュースより( Content Clause の記号づけ)

2019年9月20日

21世紀のふつうの英語 (3): Googleからのメール(関係代名詞へのつながり)

2019年9月22日

 

参 考 文 献

[1]ウィズダム英和辞典 第3版(2012)
[2]ジーニアス英和辞典 第5版(2015)
[3]ランダムハウス英語辞典 第2版(1993)
[45] 表現のたための 実践ロイヤル英文法 綿貫陽・マイク・ピーターセン共著 旺文社(2006)
[241]総合英語 Forest 石黒昭博監修 桐原書店(第7版 2013)
[247]アトラス総合英語 佐藤誠司・長田哲文著 桐原書店(初版 2012)

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ABOUTこの記事をかいた人

Itakura

〜2016 鹿児島大学水産学部教授 ,2016〜2017 水産学部特任教授(英語教育担当),2016〜 鹿児島大学名誉教授/ 〜2017 CIEC(コンピュータ利用教育学会)理事,ネットワーク委員会委員長,2018〜 CIEC 監事/ 2015〜「英語の見える化」研究会主宰/ 資格: 獣医学博士(北海道大学)/