「今週の英語News」20171225(to不定詞の形容詞的用法が補語に)

から教わった「ノーベルショウ」「ヘイワ」

南日本新聞2017年12月25日朝刊「こども」のページの英文を引用しています。新聞記事には,語句の意味,和訳,内容の説明があります。QRコードで音声(通常速度,ゆっくり速度,各単語の発音)のダウンロードもできます。週に一度の親子の英語談義などに活用できそうですね。

中級

Nobel Prize winner Kazuo Ishiguro first heard about the prize when he was 5.  His mother told him the “Nobel Sho” was “to promote heiwa – meaning peace and harmony,” the British novelist said.

promote :  vt. 促進する,(健康などを)増進する
mean :  vt. …を意味する
.          動詞の mean には次のような意味合いがあるので注意!
.                  mean to do :  …するつもりである
.                  I didn’t mean to hurt you.  あなたを傷つけるつもりはなかった
.                 (≒  I didn’t intend to hurt you. )

British :  a. 英国の,(イギリス本島である)グレート=ブリテン島(Great Britain)の
novelist :  n. (長編)小説家

His mother told him の後に何が省略されているかは,わかりますよね?

meaning … は,日本語の heiwa(平和)の説明になっています。

”記号づけとチャンク訳の解答を見る”



”解答を隠す”

was “to promote は,「“」がありますので,予定や義務を表す be to do ではないことがわかります。この to promote … はノーベル賞の性質(目的)を説明しているので,to不定詞の形容詞的用法と取るのが良いでしょう。名詞的用法では「〜すること」という意味になりますが,ノーベル賞自身が「平和を促進すること」ではないので,この場合は合わないですね。

the purpose of “Nobel Sho” is to promote …
であれば,「ノーベル賞の目的は … を促進すること」となって名詞的用法となります。

上級

ただ,下にあげた [1] のような文献でも,to不定詞の形容詞的用法は名詞句のあとに置かれる(限定用法)とされ,主語補語になる例(叙述用法)は見当たりません。

こうなると [2] で確認するしかないと思って調べたところ, p.1256 に次の記述を見つけました。(PP : 前置詞句)

In addition a to-infinitival can occur as purpose complement, replaceable by a purpose PP such as for the purpose of…  :

The grid is to prevent the cattle from wandering off.

上の下線の complement は,現代言語学における「補部」という(少し広い)意味で使われていますが,この説明で,このような to不定詞が for the purpose of…「〜という目的のための」と同意で形容詞的であり,学校文法の主語補語と理解してよいことがわかります。

参考文献

[1] 現代英文法講義 安藤貞雄著 開拓社(2005年)
[2] Huddleston, Rodney; Pullum, Geoffrey K.. The Cambridge Grammar of the English Language. Cambridge University Press. Kindle 版. (2002年)


 

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ABOUTこの記事をかいた人

板倉

〜2016 鹿児島大学水産学部教授 ,2016〜2017 水産学部特任教授(英語教育担当),2016〜 鹿児島大学名誉教授/ 〜2017 CIEC(コンピュータ利用教育学会)理事,ネットワーク委員会委員長,2018〜 CIEC 監事/ 2015〜「英語の見える化」研究会主宰/ 資格: 獣医学博士(北海道大学)/