(2018年4月4日,この記事をスッキリと短くしました)
初級 〜
昨日,「comeとgoの使い分け」を投稿した後,講座の生徒さんからすぐに質問がありました。
NHK Enjoy Simple English「大阪編1/大阪ーミナミ」 2017年6月19日放送
の中での次のようなやりとりについてです。
Aさん: My friends and I are going to have a drink. Wanna come?
Bさん: Oh … I’ll go if I can.
. . wanna: 《略式》want to
Bさんは,Aさん(聞き手)の飲み会に行くことを go で表現しています。
(“if I can” が無ければ,“I’ll go to somewhere else” ともとれます)
このやりとりの後で,Bさんは連れの Cさんに,
Bさん: In Osaka, if you say, “I’ll go if I can,” it means “I’m not going.”
と説明しています。
Bさんは行く気が無かったわけですね。
訳しますと
Aさん: 友達と一杯やるんやけど,あんたも来る?
Bさん: う〜ん,行けたら行くわ。
︙
Bさん(連れの Cさんに): 大阪では「行けたら行くわ」って言うたら「行かへん」という意味なんやで。
といった感じでしょうか。
(私は,5歳から14年間,兵庫県伊丹市で育ちましたが,50年近く経っています。訳はどないなもんでしょうか?)
さて,昨日の記事の状況13 で,ジーニアス英和 [2]を次のように引用しました。
I’ll come to the party.
. パーティーに出席します
聞き手の主催するまたは出席予定のパーティーについて言う発話で,
go では関係のない相手に述べていることになる
だとすると,go を使うのは,飲み会とは関係の無い相手に話す時だということになりますが,
Enjoy Simple English の例では,飲み会をする相手に対してgoを使っているわけです。
どうしてこのようなことになったのでしょうか?
ウィズダム英和 [1] に,
come は話し手・聞き手の視点に近づいていくことを表すため
肯定的態度や親近感を暗示することが多い
go は話し手・聞き手の視点から離れていくことを表すため
否定的態度や疎外感を暗示することが多い
(話し手・聞き手の視点: 話し手・聞き手がいるところ,話題になっている場所)
とあります。
Bさんは,飲み会に行く気がないこと(否定的態度)を go と使って暗示したようです。
もし,行く気まんまんだったら,
Sure, I’ll come.
などと答えたことでしょう。
上の例では,come と go の使い分けで気持ちが表現されていましたが,
英単語の正しい使い分けを勉強してすっきり英会話
に次のような笑い話が紹介されています。
ある日本人がアメリカでホームステイをしていて、その家の奥さんが
「食事ですよ」と呼んでくれたので、
「今行きます」のつもりで、
I’m going soon.
と言って、階下へ降りていったところ、食事はすでに片付けられていた。
「今から出かけます。」
という意味に取られたわけですね。
この場合は,
go は話し手・聞き手の視点から離れていくことを表す [1]
という go の基本的意味で判断されたわけですね。
. .
参考文献
[1] ウィズダム英和辞典 第3版(2012)[2] ジーニアス英和辞典 第5版(2015)
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