「今週の英語News」20180212(to不定詞,目的か結果か?/ 補足: else )

一歩を重ねれば どこにでも行ける  ひとりそり引き南極点に

南日本新聞2018年2月12日朝刊「こども」のページの英文を引用しています。新聞記事には,語句の意味,和訳,内容の説明があり,QRコードで音声(通常速度,ゆっくり速度)のダウンロードもできます。週に一度の親子の英語談義などに活用できそうですね。
この新聞記事は共同通信社によって配信されて全国各地の地方紙に掲載されているもののようです。


今回は,単独歩行で南極点に到達した 荻田泰永 さんについての記事です。

初級 〜

A 40-year-old Japanese adventurer reached the South Pole in early January.  Yasunaga Ogita walked for 50 days alone to get there.  He was carrying a tent, food and everything else on a sleigh.

adventurern. 冒険家
the South Pole :  南極点
sleigh :  [sléɪ] すぃ n. (馬などが引く)そり

to get there は,どう解釈されるでしょうか?

else はちょっと変わった使われ方をする語ですが,英文の意味をとるのは難しくないかと思います。

”記号づけとチャンク訳の解答を見る”



”解答を隠す”

中級 〜

to get there

to不定詞の副詞的用法ですが,
[43 p.212] に

結果>「… となる」
.     <目的>とは異なり,無意志述語が用いられる.

とありますが,この get はどちらともとれると思います。いちおう目的としてチャンク訳しました。
目的結果の区別は明確なものではなく,だからこそ,目的の意味をはっきりさせるのに in order を入れたり,結果を表現するのに only を加えたりするわけです。難しいことかもしれませんが,時には英語の語句を,日本語には無いような広い意味(意味領域)で捉える練習も必要でしょう。

 

ちょっと細かい話になりますが,

a tent, food and everything else

コンマの付け方が,「A, B and C」のようになっていますね。
項の数が2つなら「A and B」,3つ以上なら「A, B, and C」と書くように,私は習いました。その方が,2つの場合と3つ以上の場合を区別しやすいので,日本語でも「A,B,および C」のように書くようにしています。
ただ,いろいろ調べていると,

マスコミでは 「A, B and C 」のように書く。それは,1文字でも短くしたいという心理が働くからだ。

という説明を見つけました。いろいろあるものですね。

補足: else

else の意味は,次の,ウィズダム[1]の説明がわかりやすいと思います。

[副詞] 〖不定なものを表す語の後で〗
 (代わり・残りのものをさして) そのほかの 

Let’s talk about something else.
何かほかのことを話そう

ジーニアス[2]には,次のような説明もあります。

else other
else は単数形 (代)名詞のみにつく
複数形には other を用いる
someone else → some other people

else の所有格]
else’s を付ける: somebody else’s car
.                                               [élsɪz]

(代)名詞につくのに副詞,というのがおもしろいところです。
また,somebody else’s では,somebody else を1つの名詞のように扱っているわけですね。

 

副詞」については,[43 p.522] に,

副詞は,主に動詞・形容詞を修飾する語であるが,また,他の副詞・名詞代名詞・句・節を修飾することもある。

とあり,

Even a child can do this.
子供だって,こんなことはできる

という例が示されています。

参考文献

文献番号は,今後は,すべての記事で同じ番号を使うことにしました。

[1] ウィズダム英和辞典 第3版(2012)
[2] ジーニアス英和辞典 第5版(2015)
[43] 現代英文法講義 安藤貞雄著 開拓社(2005年)


 

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ABOUTこの記事をかいた人

板倉

〜2016 鹿児島大学水産学部教授 ,2016〜2017 水産学部特任教授(英語教育担当),2016〜 鹿児島大学名誉教授/ 〜2017 CIEC(コンピュータ利用教育学会)理事,ネットワーク委員会委員長,2018〜 CIEC 監事/ 2015〜「英語の見える化」研究会主宰/ 資格: 獣医学博士(北海道大学)/