21世紀のふつうの英語 (2): VOAニュースより( Content Clause の記号づけ)

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追記(10-2-2019)あり

中級 〜

21世紀のふつうの英語」で取り上げる英文の構文は,現在使われているものですが,20世紀以前に使われていなかったことを保証するものではありません。
英文中でかすかに色の付いた語句をクリックすると,意味と解説が吹き出しで表示されます。

Voice of America から,2019年8月30日付のメールニュース「VOA Extremism Watch」が届きました。
その中に,ぜひ取り上げたい構文がありましたので紹介します。
記号づけの新しい提案もしたいと思います。

メールニュースには記事の最初のパラグラフだけが入っています。

ARTICLE

Experts: Kashmir Issue Could Raise the Stakes for Militancy

AUGUST 21, 2019 | NAFISA HOODBHOY

India’s recent decision to revoke the special status of Indian-controlled Jammu and Kashmir, a Muslimmajority state, has some experts concerned that the action could raise the stakes for militancy among several active terror groups in the region.

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語句の意味と解説を吹き出しの中に入れましたが,この英文の構文がわかりましたでしょうか?

 

記号づけチャンク訳を示します。


Experts: Kashmir Issue (Could Raisethe Stakes
Experts: Kashmir IsSue (Could RVise〉the StO
専門家(の言): カシミール問題は      掛け金を
.           上げるかもしれない(危険を増大させるかもしれない)
[for Militancy]a
.   交戦状態の

 

India’s recent decision [to |revokethe special status
India’s recent deScisio [to |re(v)oe〉the special st(o)
インドの最近の決定   無効にする  特別な状態を

[of Indian-controlled Jammu and Kashmir,
インド支配下の  ジャンムー・カシミール州の

a Muslimmajority state,]a]A,
イスラム教徒が多数派の州

(hassome experts concerneda
(hVas〉some eOp=rtscnC
憂慮させている 何人かの専門家に

(that the action (could raisethe stakes
(that the acS’tion (coul V’aise〉the O’
この行動(決定)が 危険を増大させる(だろうという憂慮)

[for militancy]a [among several active terror groups]a
交戦状態の  いくつかの 活発なテログループ間の

[in the region]a)C.
その地域の


 

to revoke … は,to不定詞の形容詞的用法としましたが,同格的な名詞的用法に近いものです[81 p.208]。

まず,has第5文型を作っていることに気づく必要があります。
でないと,「インドの最近の決定」が「(…を憂慮する)専門家を」持っている,という意味になってしまいます。

さて,上の英文の構文を見ると,(be concerned ではなく)

第5文型補語である concerned の後に that節

が来ています(VOA の英語ですから「ふつうの英語」です)。

be concerned that … であれば,be concerned他動詞として記号づけすることも可能ですが,この形では無理です。
それで,他動詞の目的語となる(あるいはそれとほぼ同等に扱える)ような通常の名詞節と区別するために,新しい記号づけとして

thatで導かれる内容節 content clause を
(that … )C のように記号づけする

ことを提案します。

【補足】等位節を導く that

content clauseWikipedia の説明では,noun clause名詞節)となっていますが,
ケンブリッジ英文法[91]の共著者である G. K. Pullum は,

Language Log (August 5, 2004)
Content clauses are not necessarily complement clauses
で,次のような例を上げ(和訳は板倉),

What’s up with you, that you’re looking so miserable?
(どうしたの?そんなにさえない顔をして。)
You must have been sitting awfully quietly, that he could could come in there and not notice you.
(あなたはよほど目立たないように座っていたのね。彼がそこに入ってきてあなたに気付かなかったなんて。)

that … は,コンマの後であるので従属節ではなく,あくまで content clause内容節)であると述べています。
このような例では,もはや等位節として扱って,(  )C を付けなくてもよいように思われます。
このようなコンマの後の that を,等位接続詞for と同様に扱う,ということです。

Itakura
Itakura
that節 は,単純に名詞節として扱うことはできない,ということがわかりますね。

10-2-2019 追記:

Reverso で次のような例が出てきました。

That she didn’t want to have a biological child.
“実子は望んでいないけど”

これは(主節を省略した)願望の意を表す感嘆節とは異なり,事実の内容を相手に提示する内容節だと考えられます。
文頭の that を so のように副詞とは扱わず,全体を内容節として記号づけしたいと思います。

(That she didn’t want to have a biological child)C.

 

21世紀のふつうの英語 (1): The right visualizations surface the insights business leaders need to make informed decisions.

2019年6月23日

21世紀のふつうの英語 (3): Googleからのメール(関係代名詞へのつながり)

2019年9月22日

 


参 考 文 献

[1] ウィズダム英和辞典 第3版(2012)
[2]ジーニアス英和辞典 第5版(2015)
[3] ランダムハウス英語辞典 第2版(1993)
[81]英語の語法研究・十章 渡辺登士著 大修館書店(1989)
[91]The Cambridge Grammar of the English Language Rodney Huddleston・Geoffrey K. Pullum 著 Cambridge University Press(2002)Kindle 版

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ABOUTこの記事をかいた人

Itakura

〜2016 鹿児島大学水産学部教授 ,2016〜2017 水産学部特任教授(英語教育担当),2016〜 鹿児島大学名誉教授/ 〜2017 CIEC(コンピュータ利用教育学会)理事,ネットワーク委員会委員長,2018〜 CIEC 監事/ 2015〜「英語の見える化」研究会主宰/ 資格: 獣医学博士(北海道大学)/