「今週の英語News」20180723( 前置詞句の訳で英文理解が確認できる)

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Saved from the Cave    洞窟から救出

南日本新聞2018年7月23日朝刊「こども」のページの英文を引用しています。

入門

Twelve boys and their soccer coach were saved from a cave in Thailand in early July.  They were kept deep inside the cave for more than two weeks because of water from heavy rain.

soccer  [ sɑ́(ː)kər|sɔ́kə ](米:サカ,英:ソカ)  :  n.  サッカー
.     (英語には小さい「」の発音はありません。
    また,長音記号「:」も使われますが,
.      英語で大事なのは音の長さではなく,音の違いです)

coach  [ koʊtʃ ](コウチ)  :  n.  (スポーツ競技などの)コーチ

cave  [ keɪv ]  :  n.  洞窟

Thailand  [ táɪlænd ]  :  n.  (国名)タイ

for more than two weeks  :  日本語の「2週間以上」は 「14日間」も含みますが,数が大きい場合は問題とならないので,more than(〜より多い)を「以上」と訳すことが多いようです。
.     なお,この for は省略可能です。

 

さて,今回の英文には 前置詞句が7つあります。
副詞句形容詞句か,スムーズに答えられたら,英語を英語として読む力が,かなりついてきた,という証拠です。

 

記号づけ・チャンク訳:

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解 説

副詞句・形容詞句のチャンク訳

英文中の前置詞句が,副詞句であるか形容詞句であるかは意味で判断します
その前置詞句が,英文の中でどういう意味(役割)なのか?をわかっての判断です。

そのため,学習者が英文を英語として理解しているかどうかの基本的部分は

前置詞句が,副詞句形容詞句か判断できるかどうか
副詞句あるいは形容詞句それぞれに合った語尾チャンク訳ができるかどうか

という前置詞句の理解度で把握できます。
日本語では,どういう意味(役割)なのかが,語尾で決まるからです。

副詞句形容詞句の基礎的なことがらは,
「英語の見える化」記号づけ【入門】/ 前置詞句の記号づけ
をご覧ください。

今回出てきた前置詞句が,副詞句あるいは形容詞句であった場合のチャンク訳の例を表にしてみました。
参考にしてください。

前置詞句 副詞句の場合
名詞以外,主に動詞を修飾する
形容詞句の場合
直前の名詞を修飾する
from a cave 洞窟から 洞窟からの(脱出など)
in Thailand タイ タイ(国内)
in early July 7月上旬 7月上旬
deepad inside the cave 洞窟の奥深く  ー
for more than two weeks 2週間以上 2週間以上(旅行など)
because of water
because of は前置詞として扱う)
水のため,水のせい  ー
from heavy rain (原因)豪雨のため 豪雨から,豪雨による

なお,形容詞句は,直前の名詞を修飾する(限定用法)以外に,
文の補語となる(叙述用法)こともあります。

 

参考文献
[1] ウィズダム英和辞典 第3版(2012)
[2] ジーニアス英和辞典 第5版(2015)

 

4 件のコメント

  • 「英文中の前置詞句が,副詞句であるか形容詞句であるかは意味で判断する」という点について、お尋ねいたします。

    『ロイヤル英文法』のP.325の例文です。
    I will meet him at a hotel in London at three this afternoon.
    (私は彼に今日の午後3時にロンドンのホテルで会います)

    日本語訳では「ロンドンのホテル」となっていますので、 ”in London”は” a hotel”を修飾する形容詞句かな、と思ったのですが、この本の著者は副詞句として扱っているように読めます。このような場合、どのように考えればよろしいでしょうか。

    • いつもご質問の投稿ありがとうございます。

      まず言えることは,日本語の「」は,その後に続く名詞とのつながりがそれほど強くない場合にも使われる,ということでしょう。
      “in London” を,副詞句として忠実に「ロンドンホテル」と訳すと少しへんなので「ロンドンホテル」という訳にしたのでしょう。「ロンドンホテルにてお会いします」ならなんとかでしょうか。

      たしかに,ご指摘のように,“in London” は形容詞句ともとれます。どちらともとれる場合は,神経質になることはないのですが,大事なことは,形容詞句として使われている場合にそれを形容詞句(後置修飾)として把握できるかどうかでしょう。
      I will meet him at a hotel with an ocean view this afternoon.
      であれば “a hotel with an ocean view” を名詞のかたまりとして把握できるかどうかです。

    • コメントに気づくのが遅く,まことに申し訳ありません。

      (in side は,insideですね)
      keep は第5文型を作ることもあるので,この英文を第5文型の受身形の第2文型と考える人もいるかもしれませんが(その場合はdeepは形容詞),
      この英文では,keepは,

      ジーニアス英和 keep 他動詞の項
      ❽ [SVO副詞(句)]〈人〉を〔刑務所・病院などに〕いさせる〔in〕

      で,その受身形になっていますね。

      deep inside the cave では,deepは副詞で前置詞insideを強調し,「洞窟の中(奥)深くに」という意味の副詞句になっていると考えられます。
      deepは 意味的に insideと結びついているので前置詞句に入れてしまって [deep inside the cave] のように括弧で囲みます。

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    ABOUTこの記事をかいた人

    板倉

    〜2016 鹿児島大学水産学部教授 ,2016〜2017 水産学部特任教授(英語教育担当),2016〜 鹿児島大学名誉教授/ 〜2017 CIEC(コンピュータ利用教育学会)理事,ネットワーク委員会委員長,2018〜 CIEC 監事/ 2015〜「英語の見える化」研究会主宰/ 資格: 獣医学博士(北海道大学)/