ロイロノートで英語学習のスイートスポットを!

私は,ロイロノートを提供している会社とはなんの関係もなく,
ロイロノートが様々な可能性をもった教育用アプリだと思っている一人です。

昨年8月,このブログに

ロイロノートで品詞と語順の学習を

を投稿し,その最後に

次の投稿で,英単語を使った具体例を示します。

と書きながら,そのままになっておりました。
まことに申し訳ありません。

具体例を作る前に,英語の初期教育の現状を少しでも知っておいた方がよい,と考えました。
くもんを昔からよく聞いていて,最近もテレビで宣伝を見るので,

語順がひらめく! 中1英語 並べ替え問題 基本英文を完全マスター(くもん出版)
語順がひらめく! 中3英語 並べ替え問題 基本英文を完全マスター(くもん出版)

を購入してみました。

さすがくもんで,並べ替え問題もいろいろ工夫されていますね。
これに直接対抗する教材を作ろうなどとは考えません。

ただ,思ったのですが,

その前の教育をどうするのだろう?

ということです。

並べ替え問題は,生徒の英語力を評価する1つの手段ではありますが,
英語力を伸ばす効果は,どうなのでしょう?

並べ替え問題について思うこと

並べ替え問題を解く手順は,

1.日本語文を見て英文を作ってみる(≒ 英作文)
2.与えられた英単語に合わせて英文を修正する

といった感じでしょうか。
与えられた単語を使う制約が私には面倒に感じられますが,
使う単語が決まっているので採点は楽でしょう。

すなわち,

並べ替え問題 =(先生にとって)採点が楽な英作文問題

といったところでしょうか。

英作文ができる生徒にとっては,
与えられた単語に合わせる窮屈感があるかもしれませんが,
完璧な正解が作れる快感もあるでしょう。

できない生徒は,どうでしょう?
与えられた単語を,見たことがあるような並びに近づけて,
まぐれでも正解が作れればラッキーでしょう。

並べ替え問題 = まぐれの正解を期待させてしまう問題

とも言えそうです。

並べ替え問題をいくらやっても,
まぐれで当たった喜びと,期待が外れた落胆の繰り返しでは,
「経験値」が少し上がるかどうかでしょう。

 

英語は語順の言葉」だと言われます。
単語を正しくつなぐ力を身につけることは,英語学習においてとても大事なことですが,

並べ替え問題ができる生徒になるためには
どうすればいいのでしょう?

授業では,生徒たちに,単語が正しく並んだ英文が示されているでしょう。
それでも,

多くの生徒にとって,英語の構文を身につけることが難しい
多くの日本人が英語の構文を身につけていない

具体的には,英語を何年も学んでも

長い(1つの)英文を読んでそのまま理解できない
. 聞いてももちろんわからない
長い(1つの)英文が口から自然に出て来ない

という現実があります。

その現実は大学の理系教員が一番よくわかります

日本の英語教育の現実は,(受験難易度が特には高くない)大学の理系教員が一番よくわかります。
専門教育では,少人数で,英語を使って研究指導をする機会が多いからです。

日本語は豊かな言語です。
ほとんどのことが日本語で学べます。
英語で読まないといけないのは,英語でしか得られない情報です。
知らないことを勘で読もうとするのは無謀です。
また,実験方法を読み間違ったら危険ですらあります。
すなわち,

理系では,英語を正しく読めることが必須

です。

大学生の英語力 に,多くの理系教員が困っているのが現状です。

大学生の英語は 壊滅状態

これは,英語の見える化の導入前に,身近な教授から聞いた言葉です。

文学でも,正しく読めないと正しい感動を得られないとは思いますが。。

 

英語は語順の言葉ですが,日本人にとって最大の障壁は

他動詞+目的語
名詞+形容詞句(節)

の2点です。

英語の見える化」は,この2点を重視しながら,記号によって英文構造を見える化し,英語学習の基礎の基礎となるスイートスポットを生み出します。
大学生や社会人の英語のやりなおしで成果を上げてきましたが,受講生から

最初からこのように教えてもらいたかった

という声がよく聞かれます。

上記の2点を克服する基礎の基礎を身につけることは,
(テニスにおいては当たり前のことかもしれませんが)
ラケットのスイートスポットでボールを捉える基礎を身につけることに匹敵します。

英語教育が小学校に持ち込まれ,さらに,タブレットの利用も持ち込まれつつあります。
先生方はたいへんかと思います。
小学校の先生方の受難の時代ですね。

小学生の英語学習の最初の段階で,このスイートスポットを習得できるような教材を,ロイロノート英語の見える化で作成することは,可能だと思います。

作成例

この作成例は,現場での実践経験を経ていませんので,原始的なものとご理解ください。

ロイロカードで「他動詞+目的語」を示す例

上から順番に,

1 の問題(日本語の語順で並べたカード)
1 の問題(並べ替え用のバラバラのカード)
.  部分音読
1 の解答(英語の語順で並べたカード)

となっています。

他動詞+目的語: loves flowers
を,意味を感じながらの部分音読などで慣れることが大事です。

もちろん,主語が先頭に来るなどの説明は,あってしかるべきですが,
それは日本語と同じなので,難しくはありません。

小学生が対象なら「他動詞」,「目的語」という表記にも一工夫必要かもしれません。

ロイロカードで「名詞+形容詞句」を示す例

部分音読用が2行あります。

第4文型も示す例になってしまいましたが,
名詞+形容詞句: the flowers
を,意味を感じながらの部分音読などで慣れることが大事です。

形容詞句のカードの色(レモンイエロー)をペンで選べないのが少し残念です。
「名詞+形容詞句」のカードでは,緑色っぽくなっています。

このように,並べ替え問題に,漠然と取り組むのではなく,
日本人にとって重要な

他動詞+目的語
名詞+形容詞句(節)

の語順を学習の初期の段階で身につけることによって,
その後の英語学習が劇的に変わるのではないかと考えています。

 

ロイロノートは,スライド作成のような機能も豊富ですが,

1.カードのつなぎ替えを得意とするアプリである(単語のつなぎ替えができる)
2.カードを色分けできる(英語で重要な品詞を色分けできる)
3.カードの連結を完成させた後,英文を発音させることもできる

という,英語の基礎学習にびったりのアプリのように思えます。

正しく連結できたときに,音か何かで知らせてくれるような機能が追加されるといいかとも考えるのですが,正解にたどり着くことが目的化して,英文を英語として感じることを忘れると本末転倒でしょう。

小学校の現場の事情をよくは存じませんが,
課せられた英語教育タブレット活用を同時に達成できる可能性もあります。
もちろん,小学校での英語教育をそっくり置き換えるということでなくても,
基礎の部分を構築するということでもよいと思います。

教育は,理論だけではなく,現場での実践経験に基づいた改善が不可欠です。
小学生の教育体験に乏しい私が現時点でできるのは,可能性を提言することまでですが,
まずは,このサイトから発信をしていきたいと思っています。


 

コメントを残す

ABOUTこの記事をかいた人

Itakura

〜2016 鹿児島大学水産学部教授 ,2016〜2017 水産学部特任教授(英語教育担当),2016〜 鹿児島大学名誉教授/ 〜2017 CIEC(コンピュータ利用教育学会)理事,ネットワーク委員会委員長,2018〜 CIEC 監事/ 2015〜「英語の見える化」研究会主宰/ 資格: 獣医学博士(北海道大学)/